圧雪薄毛ブルース

晴天、善き哉。

昨日の雪があちこち残りに残っている東京。

ラジオのニュースを聞いていると、電車のダイヤも乱れが生じている模様。

 

朝から、圧雪の足元にツルと転び、尻をうち、手を汚し、難儀している人や

「あー、今日は会社行きたくないなぁ。」

「学校休みにならないかなぁ。」

と思う諸氏多数でしょう。

そして、自分はというと、無職。

ありがたいことに早朝から出掛ける予定もなく、今日も昼に起きた。

だから、遅延だらけの電車にヤキモキすることもなかった。

関東中、大勢の人が困惑している中、困惑していない自分は稀少な存在の気がする。

誰かから羨ましがられたいな、と思った。

しかし、自分には自慢ができる友も伴侶も知り合いも誰もいない。

自宅から最寄りの駅前に立って、「世間の皆様、足下の悪い中ご苦労様です。私は無職のため、本日のような足下の悪い日でも会社、学校へは行く必要がありません。家でぬくぬく過ごします。」

と演説ぶってみた場合、

「あ、あの人羨ましいな。」と思ってくれる人がいるだろうか。

「私は東京都庁勤務なのですが、あなたと交替していただけませんでしょうか?」

と潔い提案をしてくれる人はないであろうか。

いたとしてもロクな人物ではなさそうだ。

 

結局、家でぬくぬくしていても疎外感で胸の内がヒリヒリするばかりだ。

「もう朝から転ぶし、電車遅れるし、今日大変だったぁ~」

と足下が悪い今日のことを誰かとブーブー言い合える日常の方がよっぽど心がぬくぬくしている気がする。

 

毎日拝聴しているTBSラジオジェーン・スー生活は踊る」にゲストでファッションブロガーのMB氏が登場していた。

ファッションを提案する人なんて何となくいけ好かないな、と思っていた自分だが、氏の本を読んだところ結構参考になり、ちょっと好印象を抱いていたところに今日のラジオゲストである。

メインテーマは靴の紹介だったが、それよりも印象的だったのが「薄毛」治療の話である。

氏は薄毛治療を受けることにしたらしく、今後の経過をブログやSNSで報告していくらしい。

なんちゅう腹の据わった行いか。

ある程度の年齢になった男にとって薄毛問題というのは一生つきまとう問題である。

「生え際が上に上がったのではないか?」、「最近抜け毛が増えた気がする。」

こういった恐怖に毎日怯えている男は世の中に大勢いる。というか自分も。

憎たらしい男に意地悪してやりたいと思っている女性は、

「あれ?おでこ広がりました?」

とか言えば、男に精神的致命傷を与えることができる。

で、MB氏であるが家が貧乏だったからファストファッションでおしゃれになる工夫を頑張ったとか、いい人だなぁとすっかり感心した。

MB氏が大金持ちになっても僻まないようにしよう。

 

夜は渋谷クアトロでKitty, Daisy & Lewisのライヴを観た。

パリッと決まったルックスに、ヒップなサウンド、パワフルなパフォーマンス、

といった具合で完全にイカしていた。

お客さんもとても盛り上がっていた。

 


Kitty Daisy & Lewis - Going Up The Country(HQ)